身体を後ろに反らせること、得意ですか?

みなさんは身体を後ろに反らせること、得意ですか?


赤ちゃんは”うつぶせ”から頭や手足を持ち上げることで、背筋や腕の力を鍛え、体幹を作り二足歩行ができるようになっていきます。

ところが、現代人は成長して座っている時間が長くなってくると、残念なことに、背骨を伸展させる動きが圧倒的に減少するそうです。
日常生活の大半が前傾姿勢ということもあり・・・。

背骨の柔軟性が低下すると、
・猫背や巻き型、それに伴う首や肩の凝り、腰痛の原因に
・呼吸が浅くなることで心身の緊張や疲労感が増し、集中力や免疫力の低下を招くことも

暖かくなって、体も動かしやすくなる春
大きく腕を伸ばして、胸を開いて、空を見上げて、
健やかな毎日のために、こまめに前傾姿勢をリセットしましょ。




背骨はおおまかに区分すると〈頸椎:首〉〈胸椎:胸〉〈腰椎:腰〉〈仙骨・尾骨〉から構成される身体のいわば大黒柱。
日常生活の姿勢、動作、内臓の働き、自律神経の調整などに大きく関わっています。

そしてあまり意識したことはないかもしれませんが、
背骨の動かせる角度、可動域は部位によって異なります。


【平均的な可動域】

屈曲(前屈)
  頸椎(65°)腰椎(50°)胸椎(35°) 

伸展(後屈)
  頸椎(40°)腰椎(35°)胸椎(25°) 

側屈(横:左・右)
    頸椎(35°)胸椎腰椎(20°)

回旋(捩り:左・右)
    頸椎(50°)胸椎(35°)腰椎(5°)


伸展(後屈)を見てみると「頚椎+胸椎+腰椎」の伸展角度はトータルで約100°。
これは屈曲(前屈)150°の次に動かせる角度が大きいのですが、前屈するほどには後屈はしていないという方がほとんどかなと思います。

以前、友人からこんな質問をもらってとっさに答えられなかったことがあります。

ヨガの後屈のポーズのブリッジとかカポターサナって必要??
ネコや犬、野生動物はあんなポーズしないでしょと。

確かに~と、カポターサナに苦戦していたその当時は思ったのですが、

日常生活で後屈をする機会はほとんどないし、なんならずっと前傾姿勢だし、
ちょっとやそっとでは硬く強張った背骨はしなやかにもどりにくいからこそ、
あえてヨガで〈後屈〉のポーズを少しずつでも練習することをおススメしたい。


ただ注意点があるとすれば、身体はすべてが繋がって連動しているから〈後屈〉だけをやってもたぶん効果は半減だし、やり方によっては怪我や不調につながってしまうことも。

だからヨガにはいろんな流派はあれど、ポーズの順番があって、全身をまんべんなくセルフマッサージされるように構成されているんだなと思うのです。

そして、前述の平均的な可動域の数値からもわかるように、
屈曲(前屈)と伸展(後屈)では〈頸椎〉と〈腰椎〉の可動域が大きい=動かしやすいので、後ろに反らせるときに、ついつい首と腰に頼ってしまうことが多い。
わたしは完全にこのパターンに陥って後屈が苦手でした。

背骨の首部分と腰部分の間で密かに!?、上手にさぼっている〈胸椎〉を意識して動かしてみると、後屈はのびやかでより気持ちの良いポーズになっていきました。

胸椎には肋骨がつながっているので、胸腔がひろがり呼吸がより深く入りやすくなるからかな。


わたしもヨガをはじめたころは、1日7時間くらい座りっぱなしのデスクワーカーだったので、ほんと、後屈のポーズにあまり気持ちよさが感じられず、でも今よりちょっと若かったのでたいそう欲深く、ポーズの完成形を目指すあまりに腰をやられるという残念なことも、、。

今でも決して〈後屈〉は好きでも、得意でもないのですが、
この〈胸椎〉を意識するようになってからは、呼吸がより深くなり、練習後の爽快感が格別なので、ポーズをスルーすることは(ほとんど)なくなりました。
ここまで12年長い道のりです、、、(汗)



ゆっくり、じっくり全身をセルフマッサージしましょう。
新年度もご予約お待ちしております<(_ _)>

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