野生動物のように強く、しなやかに

ヨガが身体に良いのはわかるけれど、痛そうだし、難しそうだし、身体も硬いし、
ハードルが高いなぁと感じている方、多いかもしれません。

そんな方にぜひ一読してほしいのが、以前にも紹介したことのあるヨガの教科書
「インテグラル・ヨーガ」の第二章サーダナ・パダ(実修部門)の46節です。

アーサナ、ここでは坐法、快適に座ることについて説明されているのですが、
なぜヨガの練習を続けると、良い姿勢で長く座り、呼吸が整い、
心を鎮めて瞑想できるようになるかが詳しく書かれています。

ひとつの姿勢を長くとらずとも、朝起きただけで、腰や肩が痛い、首が回らないとか、
手首が痛い、膝が痛いなどなど、どこかしら不調を感じることがあります。

その原因は、加齢だけではなく、家電や車などで驚くほど便利になった生活と引き換えに、
自分の足で歩く機会が減り、関節を大きく動かす必要もなくなり、非常にミニマムな、
必用最低限の動きだけで暮らすという運動不足生活。
身体をずんずん硬くこわばらせる不健康生活が、不調を引き起こしているともいえます。

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身体が完全に健康で、毒や緊張から自由でないと、快適な姿勢というのは容易には得られない。
われわれをこわばらせるものは何でも、われわれを壊すこともできる。
柔軟であるときにのみ、われわれは壊れない。 (p.249)
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そして、その毒を取り除くために、健康な心身を取り戻すために、
ヨガがあみ出されたと書かれています。
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その予備的操練として、われわれはたくさんのポーズをとるのである。
そのためにハタ・ヨーガはあみ出されたのだ。(p.251)
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まずは、食事や生活スタイルについて言及します。
わたしは肉も魚も必要な分を食べますが、ヨガをやっている人にベジタリアンの方が多いのは
こんな理由があるのがよくわかりますよね。
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「毒を残さない良い食物とは何か? 量はどれぐらいにするべきか? 食べるべき時間はいつか?」
そして彼らは、肉や魚や卵、刺激物やスパイスの多用を避ける、ヨーガの食事法を確立した。(p.252)
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そして、いわゆる身体を動かすヨガの練習については、こんなことが書かれています。
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次の問題は、すでに身体の中にたまってしまっている毒をどうするかだった。
そしてそれは、身体をあらゆる方向に圧搾することで取り除くことができるという結論に達した。

たとえば、彼らは、肝臓や脾臓や腸を浄化する方法を発見した。
それは前屈のポーズつまりパシチマッターナ・アーサナであり、身体を前に折り曲げて胃を少し圧迫する。
それでも足りないときには、もう少し圧迫を強めるために、ヨーガ・ムドラーに進む。
それでもまだ毒が残っていれば、マユーラ・アーサナつまり孔雀のポーズが来る。(中略)

背骨が固くて動きが悪いときは、それを前後に曲げたり、左右に曲げたり、逆さまにしたりするという方法がとられた。

ハタ・ヨーガは何千年も前のものだが、けっして時代遅れではない。
それの持つ真理は、いつの時代にも通用する。
それは黄金のようなものだ。他の物は時代が代わるにつれて価値を失うが、黄金はいつも変わらない。(p.252)
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”あらゆる方向に身体を圧搾”、面白い表現ですが、ヨガの練習をしていると、
わたしは、こねられてなめらかになっていくパン生地や餅つき機に入ったお餅になった気分になります(笑)。

そして練習を続けていくうちに、野生動物に戻っていくような感覚にもなります。
ヨガのゆったりとした動きに付随する力強さと柔軟性は、野生動物の動きに似ていますよね。

野生動物にとって、歩けなくなることは絶好の捕食対象、即、死を意味します。
現代社会では、人間は、逃げられずに他の動物に食べられることは滅多にありませんが、
歩けないこと=寝たきりの生活を意味します。
自分のことが自分でできなくなることは、なかなか忍耐のいる生活になると容易に想像できます。

便利過ぎる生活、忙しい毎日で弱らせてしまった動物本来の身体の強さとしなやかさ、
感覚の鋭敏さ、忍耐強さ、自然治癒力、生命力ヨガの練習で取り戻していきましょう。

あまりぐるぐる考えすぎてハードル高くしないで、まずはできることから、ゆっくり。
健康に毎日を過ごしたいなと思ったら、一緒にヨガの練習続けてみませんか?

目指す野生動物といえば、これかな?(笑)

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