花のたよりがそこかしこから届き、すっかり春めいて、朝起きるのが楽になりましたが、日中の花粉の飛散はちょっと勘弁してくだされ~とぼやくわたしです。
季節の変わり目の体調変化だけでなく、年度替わりの時期は生活環境が変わることも多く、誰もが多かれ少なかれ気持ちがアップダウンした経験もあるのではないでしょうか。
日々の生活の中で、イライラしたり、クヨクヨ悩んだり、やる気に満ちている日もあれば、全然何もする気が起きないなんて日もありますよね。
そんなときに、頭の片隅に〈ヨガの智慧〉があると、状況を俯瞰して立て直しやすい気がします。
インドやスリランカの伝統医療アーユルヴェーダに興味をお持ちの方であれば、トリドーシャ〈ヴァ―タ:風・ピッタ:火・カパ:水〉という3つの体質について聞いたことがある方も多いかもしれません。
このトリドーシャが主に体調のバランスを整えるのに役立つのに対し、心のバランスを整えるのに役立つのがトリグナ(3つの性質)。
トリ=数字の3 グナ=性質
トリドーシャ、トリグナは互いに密接な関係であり、中医学や東洋医学の五行説(木・火・土・金・水)とも関わりがあると言われています。
【サットヴァ(純質)】
穏やかで調和された状態
【ラジャス(激質)】
貪欲さ、活動、欲望にかられて何かをすること、落ち着きのなさ、野心的な行動
【タマス(鈍質)】
鈍さ、不活発さ、怠惰や不注意、迷い
誰もが心にこの3つのグナを持っていて、サットヴァ性が高いとき=サトヴィックなときは、幸福感や静寂、穏やかさを感じられると言われています。
心が満たされているとき、内側から自然と優しい気持ちや言葉、笑顔がでますよね。
心が静まっているとき、自然と集中することができ、何かがスッと沁み込んでくるように物事がすすみ、理解が深まっていくことがあります。
ただ、〈ラジャス〉〈タマス〉は敵でも、悪者でもなく、生きていくためには必要な質と説かれているところが興味深いところ。
〈ラジャス〉は体を動かし、目標に向かっていく行いをし、努力し、前に向かって歩き続けるモチベーションとなる質でもあり、何かを達成しようというパワーでもあるから。
〈タマス〉は生命の維持、安定、そして休息には不可欠な要素で、過剰は問題ですが、睡眠や休息がなければ、活発なラジャスも純粋なサットヴァも維持できないから。
要はバランスなんですよね。
むずかしそうに聞こえますが、〈自律神経〉の働きに置き換えて考えるとわかりやすいかもしれません。
ざっくり言うと、交換神経はアクセル、副交感神経はブレーキの役割なので、
✅〈交感神経〉優位なときがラジャス
✅〈副交感神経〉優位なときがタマス
✅〈交感神経〉と〈副交感神経〉がしっかりと働いて、かつバランスが取れている状態がサットヴァ
ヨガの練習は〈サットヴァ〉の性質を高めてくれるのにたいそう役立ちます。
練習のあと、穏やかな気持ちになって、イライラやクヨクヨがおさまっていたり、帰りの運転で「お先にどうぞ」と譲れたり、家族や友達に自然に優しい気持ちになったり、そんな経験したことありませんか?
〈タマス〉に傾いたタマシックなときも、〈ラジャス〉が過剰になったラジャシックなときも、ヨガの練習をすると清算されたようにスッキリとします。
これをトリグナの考え方ではサトヴィックな状態といいます。
余剰エネルギーの清算
あ~ぁと思ってしまう残念なコトにあたってしまった時、ヨガをした後だと、「まぁ、こういう日もあるよね」と、冷静さを保って、穏やかにやり過ごせる自分に気づくことありませんか?それは、怒りなどの「負の感情」に注がれる余剰エネルギーをアーサナ(ポーズ)で使い果たして、プラナヤーマ(呼吸法)で陰陽のエネルギーバランスが調うからなんじゃないかと思います
そしてトリグナを意識した食事をすることでも〈サットヴァ〉の性質は高まります。
■ サットバ性(調和・安定)
新鮮で軽く、消化しやすいもの、心と体を穏やかに整える
例:新鮮な野菜・果物、豆、ミルク、シンプルな料理
■ ラジャス性(刺激・活動)
辛味や酸味など刺激が強く、気分を高めるもの
例:スパイスの効いた料理、コーヒーなど
■ タマス性(重さ・停滞)
古いものや加工されたもの、体や気分を重くしがち
例:インスタント食品、作り置き、砂糖の多いもの、お酒
忙しい毎日の中で、また同居するメンバーによっても、食生活をすべてを理想的にするのはほんと難しいことですが、
「できるだけ新鮮なものを選ぶ」「加工食品を少し減らす」など小さな積み重ねでバランスは整っていくし、家族の健康サポートにも役立つと思います。
完璧を目指すより、できる範囲で心地よい選択を。
それがヨガの練習でも、食習慣でも、長く続けられるコツかなと感じます。
イライラしたときに食べたいな~と思うものは〈ラジャス〉的なのものだったり、ホルモンバランスからくるPMSや更年期症状で甘いものが欲しくなるのはまさに〈タマス〉。
そしていくら〈サットヴァ〉なものでも”食べ過ぎたら”、それは〈タマス〉になるので、食べる量や食べる時間も大切だと言われています。
イライラやクヨクヨの渦中にあるとき、ちょっと視点を変えて、自分の食べているものや、心の状態を、これはラジャス? それともタマス??と思案してみる。
食べものを変えたり、ヨガの練習をしたり、サットヴァな心にシフトしやすくなると思います。
トリグナ(3つのグナ)の智慧を日常生活に活かしてみてくださいね。
3月もどうぞよろしくお願いします<(_ _)>