思い出キャラメルを、もう一度

降ったりやんだり、秋の長雨。
備えをしたら、あとはただ安寧を願うしかないのですが……。

ここ数日の天気のニュース、スマホだけでなく、テレビもラジオも、ちょっともう情報が氾濫レベル。

うっかり見はじめたら最後、あんまり関係のない情報までだらだら~っと流れてきたり、同じような映像が何度も繰り返されたり。
気づけば「時間、無駄にした~」と、頭の中までどんよりすることも。

いろいろ調べてみて(オタクだから・・・)
国土交通省 気象庁の天気予報が見やすい、使いやすいとあらためて感じています。

市町村単位で設定しておけば、雨雲レーダーも天気も予報もワンクリックで表示。
シンプルでわかりやすくて、なにより、余分な広告や宣伝がない!

必要な情報はきちんと受け取る。
でも、それ以上は抱え込まない。

外出の用事がないオフの日は、朝、いつもよりコーヒーをたっぷり淹れて読書の準備です。


ここ数日、ちょうど図書館で予約していた本が続々と届いたので、長雨でどよ~んとしていた気持ちが、めっちゃ上がりました⤴⤴

女優の杏さんのフランス旅、移住、そして暮らしについて書かれたエッセイを2冊。

移住後の方のエッセイの書評はヤマザキマリさんが書かれていて、その文章から伝わってくる杏さんの人柄に、とても好感を持ちました。

彼女は人間の社会が決して聖人君子だらけのお花畑ではないということを知っているし、世間体の戒律に従う生き方の窮屈さも知っている。


歴史好きという側面からも、人生には信頼ばかりではなく、疑う術を持つ必要性も理解されている。


そんな杏さんのような成熟した女性にとっての子育てのステージは、できるだけスケールが大きいほうがいいのではないかと常々思っていたから、彼女のパリ行きを知った時は嬉しかったし、安堵した。


新潮社公式WEBサイトより


この本を読みたいなと思ったのは「子どもを連れてフランスへ」というワードに惹かれたから。

もう20年以上も前の昔話になりますが、私自身、育児休暇中に無謀にも子連れでフランスへ旅をしたんですよね。

当時は、保育園も(たぶん会社も・・・?)、育児休暇中の海外旅行に、とくに難色を示すことなく、「楽しんでおいで」「帰ってきたら写真見せてね」と送り出してくれたし、帰ってくれば、息子たちにも「良かったね~」「楽しかったね~」とふつうに迎え入れてくれるという、今と比べたらずいぶんおおらかな時代でした。


長男のときは、スイスを経由して、ミネラルウォーターで有名なエビアンに滞在し、パリをちょこっと観光するという2週間プラン。

きっかけは、『フランスの田舎暮らしとおいしい子育て』というエッセイ本でした。

〈Maman et Bebe〉という、出産後のお母さんと1歳未満の赤ちゃんのためのプログラムに参加された様子が活き活きと描写された文章に、思わず行きたーーーい!となって、そのころは本もおおらかで、あとがきにはお気軽にお問合せください!の著者のメールアドレスが・・・。

図々しくも連絡をしてみたところ、とても親切に何度も相談に乗ってくださって、いざ決行。

長男が10か月くらいのときだったかな。


杏さんも一冊目のエッセイに書かれているけれど、
今思えば、哺乳瓶からオムツ、着替えまで、乳飲み子を連れてわざわざ遠くまでよく行ったものだと思います。

エアラインは、当時、子連れにいちばんやさしいと評判だったエールフランス。

大人だけで乗っているときは気にしたことなかったけれど、
飛行機内のトイレには、狭いながらもきちんとオムツ替え台があるし、
2歳以下の幼児連れには〈バシネット〉という壁に設置するベビーベッドも用意してくれるから、子連れフライトのハードルはそんなに高くないと感じたのを覚えています。

なによりも、わたしが食事するときは、手の空いたCAさんが代わる代わる息子を抱っこしてくれたり、お願いすればミルクを調乳してきてくれたり、本当に至れり尽くせりでした。

荷物はとにかく多かったし、準備も大変だったけど、若さゆえ全然気にならず、むしろ育休中、初めての赤ちゃんとの生活で窒息しそうだったわたしには、12時間フライトの時間がむしろ天国のように感じられたんですよね。


これに少し味を占め(笑)、二人目の次男のときも、育児休暇は海外旅行の最大のチャンスとばかり、もう少し滞在日数を増やしたいなと、友だちとその娘ちゃんを誘って、計画を練りに練り、4歳の長男と1歳の次男を連れて1ヶ月半ほどのフランスを旅しました。

子どもを楽しませるのが上手で、ぐずったときの”必殺技”あんぱんまんのビデオを何本も仕込んできてくれたり、左ハンドルの運転も上手な旅慣れた友人がいてくれたから実現できた旅で、今でも、もう感謝しかない。

パリでは当時オープンしたてのユーロディズニーへ行ったり、ボルドーでレンタカーを借りた後はバスク地方をめぐり、南仏へ。
『ファーブル昆虫記』を書いたファーブルさん由来のミクロポリスという昆虫テーマパークに行ったのも今では本当に良い思い出。
フランスには、パリにも、地方にも、子連れで大人も満足できる施設が充実しているなぁと思ったものです。

アンティーブという町でコンドミニアムを借りて、1か月ほどそこを拠点に暮らすように旅をしました。
朝はパン屋さんに子どもたちの手をひいていき、公園で遊んだり、天気のいい日には国境を越えてイタリアにも遊びにも行ったなぁ。


それにしても、このときの荷物と言ったら・・・・。
ストロー型ベビーカーに、特大スーツケースに、機内用にもおむつやミルク、着替えの入ったバックを肩から背負い、一人は抱っこ、一人は手をつなぎという・・・いったい何キロ抱えていたのだろうか。

おまけに、帰りの荷物にラクレットオーブンを買ったのもこの時だった・・・
そしてまさかの帰国フライト先が到着地変更というハプニングも。


幼児だった子どもたちは一ミリも覚えていないと思います。

でも、フライト中、いっちょまえにアニメ映画を観たり、チャイルドミールという機内食やおやつをモリモリ食べて、寝て、子ども同士でごきげんに過ごしていた時間を垣間見れたこと、訪れた場所、見た景色、市場で買った食材で料理したごはん・・etc.、楽しかったこともあちゃ~っとなったことも、旅のすべてが、大人のわたしたちには大切で愛おしい、今でも思い出すと元気がでてくる”思い出キャラメル”。

この”思い出キャラメル”でわたしはその後、長く仕事も、子育ても、めいっぱい頑張れたんじゃないかなと思うのです。

何よりも大切な思い出は、今でも続く友人との最初の出会いのきっかけ。


“ママ友”という言葉だけでは、とても収まりきらず、説明すると長くなるのですが、端的に言うと……。

私が最初のフランス子連れ旅をするきっかけになったエッセイ本を、彼女も読んでいた。
そして彼女も、「エビアン、行ってみよう!」と思い、同じように著者に問い合わせをして、著者の紹介で先に決行したわたしに手紙をくれて親しくなり、3年後には一緒にフランス子連れ旅。

スマホやSNSのない時代だからこその、ゆるやかで不思議な縁なのかもしれないですね。

案外、人生って、こういう出会いや偶然が実はそこかしこにちりばめられていて、それに気づくか、一歩踏み出すかは、そのときのコンディション次第なのかも。

何かに心が動いたとき、一歩踏み出すエネルギーと余白の時間を持ち続けたいなと、
杏さんのエッセイを読みながらしみじみ感じた雨の休日でした。

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