女と骨盤(著:片山洋次郎)
14歳の世渡り術シリーズの『生き抜くための整体』、
季節ごとにおススメのセルフ整体をまとめた『整体かれんだー』など、
片山洋次郎さんの著書は読んだことがありましたが、今回見つけたのが『女と骨盤』。
整体の現場で40年あまり骨盤の動きを観察し続けている片山さんの解説はわかりやすく、娘(孫!?)がいたら思春期になったら読ませたい と思ったし、 男性にもぜひ読んでほしいなぁと思う一冊 です。
生理痛、排卵痛、PMS(月経前症候群)、不妊、産後に体重が戻らない、尿漏れ、更年期症状など。
今いちばんの自身のトピックである〈更年期と骨盤〉から読み始めましたが、
第一章:そもそも骨盤とは
第二章:生理と子宮と骨盤
第三章:セックスと骨盤の動き
第四章:妊娠・出産と骨盤
第五章:更年期と骨盤
第六章:エイジング=骨盤の自由化
・・・と女性の成長とともに変化する骨盤の動きと解説、図解による対処方法、Q&Aが丁寧に記されていて、一度読んだだけでは少し難しい内容もありますが、ゆっくり、じっくり読み進めて、骨盤をゆるめたり、整える術を身につけることで、これを知らないよりもずっと快適に生活できるなぁと感じました。
『生理のとき、ヨガはやめた方がいいですか?』
とよく聞かれるのですが、わたしは、生理3日目くらいまではお休みした方がいいですよと伝えています。
これは骨盤がゆるんで経血を排出する期間なので、強く下腹部を刺激することや、せっかくゆるもうとしている骨盤を締めることは逆効果になるからだと考えていましたが、この本にはそれを裏付けるさらに深い解説がありました。
骨盤がゆるむ時期=心身の休息期
生理中は、骨盤が広がってみずからゆるもうとしているわけですから、骨盤のなめらかな動きを生むチャンス。
生理の1日目、2日目は骨盤がゆるんでいく途中で、3日目、4日目できちんと骨盤がゆるみきると、その場で自然にちぢんでくる。
年齢や体質によっても経血の量、骨盤の開閉タイミングは違いますが、
ゆるみきるまではやはり〈休息〉がおススメのようです。
経血の多い2日目までをゆっくり過ごす方は多いと思いますが、できれば3日目、4日目くらいまではヨガや運動だけでなく、仕事や家事などもスローダウン&リラックスできると、そのあとの体調がみるみる良くなっていくのだそうですよ。
〈更年期〉も長い人生のスパンの中では骨盤がゆるんでいる時期、だから無理はせず、でも、しっかり観察して整えていくと、きっと次のステージがずいぶん楽になるんじゃないかな。
ちまたでよく目にする〈骨盤のゆがみ〉についても、こんな風に解説しています。
そもそも固定した正しい身体のバランス、骨盤の形は存在しません。人はだれしも骨盤がゆがんだり、戻ったりするそれぞれの動きのパターンをもっており、その自由度の大きさが「活力」の大きさでもあります。
「ゆがみ」が悪いという思い込みからは自由になったほうがいい。
骨盤のゆがみ(とくに左右差)は悪いことではなく、生きているかぎり必ず生まれます。
「ゆがみ」が固定して、変化が止まってしまわなければ良いのです。
骨盤だけに限らず、身体全体ゆるめたり⇔ちぢめたり、広げたり⇔締めたり、同じ姿勢を取り続けないことが大事。
日常の「ゆがみ」の停滞=「疲れ」の対処方法として、
まず第一にには、よくちぢむプロセスを通して、よくゆるむこと。
よくちぢむためには、楽しいこと好きなことで”無心”になることです。
そのあとで気持ち良い疲労感があれば、よくちぢんでよくゆるんだということ。
たとえば疲れていても、休みの日に走ったり、山に登ったりして気持ちよく疲れると、翌日にはさっぱりする。その気持ちいい身体感覚の経験は、多くの人にあるでしょう。
骨盤がよくちぢんでよくゆるむということはそういうことです。
30代の不調期に身体を動かさないと!とピンチに陥ったことで、気がつけば15年余りヨガの練習を続けてきましたが、骨盤の動きがなめらかになったから、妊娠中18㎏近く増えた体重も今はすっかり戻ったし、万年腰痛はすっきり改善されたのだと、この本を読んで深く納得しました。
京都の〈愛宕山△924m〉に登ってきました 色づきはじめた葉がなんとも美しかったです |
今は忙しいから・・・と自分のケアを後回ししてしまわないように。
不調は生活リズムを整えるサイン&チャンス。
今できることから、少しずつ、はじめていきましょうね。
ご予約お待ちしております。
タラブックス@チェンナイで見つけたアーサナポスター
ヨガのアーサナの名前には”動物”や”植物”など自然が由来となっているものが数多くあります。 「もともと四つ足歩行だった人間の中の動物本来の能力を引き出すため」「二足歩行になって衰えた筋肉や、負荷のかかってる姿勢、機能を修正するため」「生命力あふれる動物のしなやかな強さを養うため」といった理由から・・