【お知らせ】2018年3月のスケジュール &「漁港の肉子ちゃん」(西加奈子 著)

3月のレッスンスケジュールをお知らせします。

◆3月のレッスン場所について3月22日(木)~4月5日(木)は和室(高岡1丁目)でのレッスンとなります。
 はじめての方、場所がわからない方はご予約の際に、お気軽にお問い合わせくださいませ。
◆3月の以下の日程はお休みとなります。ご了承くださいませ。お休み:3月15日(木)~21日(水)

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☆2018年3月スケジュール
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火曜日:3月6日、13日、27日 ※3/20はお休み
 10:00~11:30 シヴァナンダ ヨガ
 13:30~14:30 ジェントル ヨガ(やさしいヨガ)

水曜日:3月7日(午前のみ)、1428日 ※3/7(午後)、21はお休み
 10:00~11:30 シヴァナンダ ヨガ
 13:30~14:30 ジェントルヨガ(やさしいヨガ)

木曜日:3月1、8日、22日、29日 ※3/15はお休み
 10:00~11:30 シヴァナンダ ヨガ
 14:00~15:30 シヴァナンダ ヨガ

金曜日:3月2日、9日、23日、30日 ※3/16はお休み
 19:30~21:00シヴァナンダ ヨガ

土曜日:3月3日朝 9:30~11:00  シヴァナンダ ヨガ
    3月24日14:00~15:30 シヴァナンダ ヨガ
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ふとテレビを見ていて耳にした、女優田中麗奈さんの「最後の80ページくらいですごい涙がでて、
止まらなくなってしまって、暗いところに移動して、みなさんに気づかれないように。」
という言葉が妙に印象に残って、「漁港の肉子ちゃん」(著:西加奈子)という本を読みました。
これまでなんとなく機会がなくて、西さんの本を読むのはこれが初めて。

悪い男にひっかかっては、騙されてばかりいる肉子ちゃんと娘のキクりんが、
とある田舎の漁港のある町にたどり着いた先の日常を描いた小説。

この設定からいくと、だいたい娘は、わかりやすく不良になり、
母はどっぷり借金、酒まみれ、親子断絶というのがステレオタイプなんだけど、
このお話はまったく違う。

物語は終始、キクりんの描写する肉子ちゃんの関西弁ベースの語り口調、
意味不明なおもしろ語呂合わせ、まったく人の目を気にしなさすぎる服装や体形、
そしていびき音の描写「すご~い、すご~い」に、読んでいて声を出して笑ってしまう。
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「肉子ちゃん。」
「何?」
「眼やについてるで。」
「おおお危なっ!ありがとうっ!」
 肉子ちゃんは眼やにをとって、かかとの高い紫のビーチサンダルを履いた。
 ださすぎる。
「キクりん、何読んでるん?」
「サリンジャー。」
「サリンジャーっ! なんとか戦隊の名前みたいやなっ」
そして、元気よく出勤して行った。
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思いついたことがそのまま言動になり、人の言葉や態度の裏を読んだり、
深読みすることなく、愛するときは直球で、泣きたいときには泣き、食べたいものを食べ、
眠りたいときには眠る。

肉子ちゃんのようにあっけらか~んと、ありのままで生きることはなかなか難しいけれど、
社会常識とかルールとか、マニュアルとかしがらみにがんじがらめになっていると感じた時は、
自分の気持ちに正直に、自由に、心も体もちょっとほどいてあげたい。
日本を離れると、ちょっとした開放感を味わえるのは、肉子ちゃん状態に近づけるからかもしれない。

でも、そんなハチャメチャな肉子ちゃんを反面教師に、キクりんは人に迷惑をかけることを
極度に恐れ、学校でも、社会でも、そつなく生きようとしている。
けれど、思春期の学校生活に、猪突猛進の肉子ちゃんとの生活にと、そううまくもいかない。
ある事件がきっかけになり、サッサンというおじいちゃんが、
訳あり母娘を家族同然と想っていてくれたことを知り、
そして、この言葉で、キクりんのかたくなな気持ちをぐっと温めて氷解させる。
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「生きてる限りはな、迷惑かけるんがん、びびってちゃだめら」
「生きてる限り、恥かくんら、怖がっちゃなんねえ。~中略~
 子供のうちに、いーっぺい恥かいて、迷惑かけて、怒られたり、
   いちいち傷ついたりして、そんでまた、生きてくんらて。」
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この言葉はぐっとくる。
できることなら、失敗なんかしたくないし、恥もかきたくない。
迷惑もかけたくないけれど、そんな人生はありえない。

巣立っていった息子のことをふと懐かしく思い出すのは、
風邪をこじらせて病院通いをしたり、離乳食を食べなかったり、雨の続くなか
大量の洗濯ものと格闘したりと、途方にくれるほど手がかかった幼い日々のこと、
口喧嘩して、翌朝起きたら、壁に穴があいていた日のこと、
お弁当や夜食、塾の送迎をしてくたくたになっても、
さもあたりまえのように不機嫌だった様子にがっかりして大げんかした日のこと。

何かができたこととか、試験に受かったとか、そんなことよりも、
離れた今となってはもう味わうことができない、ゴツゴツ、デコボコ、
ぶつかりあった日常の小さな小さな成長の軌跡。

わたしを含め、誰もがみんなそうやって迷惑をかけ、失敗をして、
恥をかいて、怒られて、今がある。
そして、また年をとったらとったで、一人で棺桶に入れる人はいないから、
必ず人の手をかりるのだと、介護のお仕事をしている方に言われてハッとしたわたし。

サッサンの言葉は身に沁みます。

肉子ちゃん、身内にいたらきっと厄介だけど、弱った時には、
その巨漢でむぎゅっと抱きしめてほしいなと思うそんな一冊でした。

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