京都 ものがたりの道(著:彬子女王)

12月になり冬らしく、ぐっと冷え込んできましたね。

先週『京都 ものがたりの道』というエッセイ本と地図をぽいっとかばんに入れて、京の町をてくてく散歩する旅をしてきました。

皇族の彬子女王が毎日新聞に連載されていたエッセイ(2014.4~2016.3)を一冊の本にまとめたもので、京都で暮らし、碁盤の目のような〈道〉や〈通り〉をひとつ、ひとつ歩いて感じたこと、発見したことを丁寧な文体でしたためられていて、歴史だけじゃなく、空の色とか、気温、水の流れ、季節の花や焼き立てパン、コーヒーやお香などいろんな香りまで漂ってきそうな、それはそれは素敵なお話だったんです。


〈キャンプする〉〈山を歩く〉〈マラソン大会参加〉〈ヨガ修行〉といった一択の旅がいつの頃からかお気に入りで、観光スポット、交通手段、泊まる場所、何食べる?という選択肢があまりに多すぎて、行く前から疲労感&満腹感がある場所は本能的に避けていたのかもしれません。

でも息子が京都の片隅で暮らし始めたこともあり、せっかく拠点ができたことだし、この本にあるような小さなものがたりを探しながら、のんびり気ままに、暮らすように、京の町を無性に歩いてみたくなり、20年ぶりくらいの京都旅を決行。

京都府庁あたりをお散歩しに行く途中で見つけた
紅葉のコントラストの美しい
〈菅原院天満宮神社〉

〈三条通〉〈堀川通〉〈烏丸通〉〈御池通〉などなど大きな通りから、〈蛸薬師通〉〈六角通〉など小さな通りまで、紹介されている通りは25個ほど。

明智光秀と織田信長であまりにも有名な〈本能寺〉が豊臣秀吉の命で移築され、河原町三条付近の繁華街にひっそりと建っているとか、同志社大学や京都大学付近の今出川通りにはパン屋さんが軒を連ねていて、パリで修行して日本で初めてフランスパンを製造販売したという老舗の進々堂が1930年にオープンしたのもこの辺りだとか、高瀬川沿いには土佐藩邸跡があり、坂本龍馬ゆかりの場所がそこかしこにあるなど、地図とにらめっこしながらマーキングして妄想旅するだけでもワクワク。

六角通の名前の由来となった
聖徳太子が創建したと伝わる〈六角堂〉

そして旅先で、胃腸も足腰も万全に体調良く過ごすために欠かせないのがやっぱりヨガの練習。
旅先でのヨガは本当におススメです。
ジョギング派の夫は旅にシューズを欠かせないのですが、わたしはヨガマット。
担いで持っていきました(笑)。

息子のワンルームアパートはあまりに狭いので、滞在中、練習に通えそうなスタジオを探して予約もしていきました。
内弁慶なのに、こういうときは超積極的(汗)
6時スタートのため、日の出前のまだ暗い朝5時30分に歩いてスタジオに通うわたし、ちょっと変人ですね、やっぱり(笑)。

練習場所がちょうど京都御苑近くの町の真ん中だったこともあり、毎朝8時までみっちり練習した後、エッセイに綴られた通りをその日の気分でチョイスしてぶらぶらお散歩したり、カフェやベーカリーに立ち寄って朝食を食べたり、紅葉に彩られた神社仏閣、雑貨屋さんやお菓子屋さんにふらり入ってみたりの一週間。

ある日の練習後の朝食
京都の老舗パン屋さん進々堂@三条河原町

初めての場所はいつだって、ちょっぴり敷居が高く感じるもの。

でも、ヨガの練習といういつもの日課があると、旅人特有の気ぜわしさや緊張から解き放ってくれて、3日目くらいにはその町で暮らしているような気分になれる。

反対に、普段とは違う町、特に京都のようなどこを歩いても歴史や物語のある町はちょっと散歩するだけで、旅人の高揚感をぐっと刺激してくれ、マンネリ化して退屈さを覚える日常からもすっぱり引き離してくれる。

〈旅〉と〈暮らし〉のほどよい調和、なんともいえない幸福な瞬間を久しぶりに味わいました。

超レトロな銭湯がそこかしこに健在
アパートの風呂は狭いので足が延ばせる銭湯最高
風呂上りはコーヒー牛乳♪

旅先で、その場所が書かれたもの、その場所で書かれたものを読む、というのもなかなか幸せな瞬間ですよね。

この本の最後の一話は、彬子女王が留学していたというオックスフォードの街の〈マートン・ストリート〉。
英国にはトランジットでしか立ち寄ったことはありませんが、旅がまた自由に楽しめるときがきたらこの通りも歩いてみたいなぁなんて思いました。

一週間お休みをいただきありがとうございました。
12月第二週から第四週まで、3週間通常レッスンやってます。
年末年始もヨガでじっくり体調整えていきましょう♪

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