ヘナでセルフカラー

この春から〈ヘナ〉で白髪染めをしています。

〈ヘナ〉は植物の葉を粉末にした染料で、簡単に言うと〈毛髪の草木染め〉になるのかな。

インドでは〈メヘンディ〉と言って、結婚式の準備のひとつで「幸福になれますように」という祈りをこめて花嫁の手や足にレースのような美しい模様を描いたり、お祭りのときや、今はリゾート地でもファッションとして描かれる〈ヘナタトゥー〉の染料です。

〈ヘナ〉に含まれるオレンジ色の色素が〈タンパク質〉の分子と結びつく性質があるため、白髪は鮮やかなオレンジ色に染まります。




手ぬぐいやTシャツの〈草木染め〉が出来上がるまで、その色合いや柄がお楽しみのように、ヘナ染めも、個々人の髪質、白髪のボリュームや場所によって仕上がりはさまざま。

わたしはまだ白髪の分量がわりと少ないので、黒髪部分はうっすら明るく、そしてオレンジに染まった白髪が光にあたるとメッシュのようになってとても気に入っています。

ちなみに70代後半戦に入ってもなお好奇心旺盛なうちの母、やってみたい!というので先月一緒にヘナを塗布してみたら、白髪6〜7割の母、すっごい明るいオレンジになり、それはそれでアリでしたが、夏休みに帰省した孫たちからは○○○さん(名前で呼ばせてるので)どうした!?反抗期か!ぐれた高校生みたいだ!なんね言われてました(笑)。

といっても、植物性の自然素材なので、ひと月くらいすると色はだんだん薄れてきます。
自然にとれてくるので、その変化も楽しみ。

ヘナ粉は塗布する2時間くらい前にお湯で溶いて寝かしておきます

夫の母が美容室をやっていたこともあり、わたしのアルカリカラー歴は四半世紀以上。
おしゃれな義母やスタッフさんたちに言われるがままに、色も髪型もいろいろ(無料で!)試させてもらい、今思えば本当にありがたいコトでした。

でも、〈アーユルヴェーダ〉の国インドに通うようになってから、石鹸やヘナなど自然素材のものに興味が湧き、レッスンにいらっしゃるお客さまの中にも〈ヘナでセルフカラー〉をしている方もいらして、その良さをお聞きするたびいわゆる化学薬品のヘアカラーから切り替えたいなと思っていたんですよね。

なかなか最初から自分ですべてやるのにはハードルが高く、調べてみると〈ヘナパウダー〉も質の良いものから、薬品添加された紛い物もあるということで、やはり〈餅は餅屋〉、専門家のアドバイスを聞くのがいちばん。

インド渡航も当分お預けなので〈アーユルヴェーダ〉の施術をしてくれるサロンはないかなと探していて、ようやく出会ったのが焼津の〈浜サロン ムクテイ〉のえりこさんでした。

ヘナは〈白髪染め〉よりも、〈頭皮と髪質のコンディショニング〉効果が大きいというコトを教えてもらって、ますますファンになっちゃいました。

ヘナを塗布する前の〈シロヴィヤンガ:オイルマッサージ〉がまず最高に気持ち良い。
頭皮が柔らかに、健やかになるのが実感できます。
顔のケアはするのに、そのまま繋がっている頭皮は顔ほどケアできていないんですよね。

〈ヘナペースト〉をじっくり時間をかけてたっぷり頭皮と髪に浸透させることで、ヘナ色素がケラチンと結合し、髪のダメージをリペアしてくれて、頭皮を健康に保ち、コシとツヤのある髪質に育っていくのだそう。
確かに、回を重ねるごとに、髪質が変わっていくコトを実感しています。

藍染の〈インディゴ:藍〉が生地をより丈夫に、そして防虫効果を高めてくれるように、〈ヘナ〉も抗菌作用があり、火傷や皮膚病の治療にも使われていた昔からある〈薬草〉なのだそう。

インドの女性の黒髪の美しさは〈セサミオイル〉と〈ヘナ〉効果なんでしょうね。


今は、だいたいひと月に一度くらいのペースでヘナを自宅で楽しんでいます。

ただ、ヘナも万人受けするかといったら、
・時間がかかる
・独特のにおいが気になる(←海藻とかイグサの香りでわたしは好きなんですが、、)
・洗い上がりがきしむ(←石鹸シャンプーに慣れていれば問題なし)
・植物アレルギーがある方は事前にパッチテスト要
・ヘナ後は市販のカラーやサロンのヘアカラーでは染まりにくくなることも

などなど、人によってはデメリットもあります。

でも、肌に直接つけるものでもあり、シャワーで洗い流す時に目や口に入ったり、排水口に流れていくことを考えると、自然素材であること、水に流しても安心というのはやはりどこか心がホッとします。

ヘナ染めは、乾燥豆から納豆や味噌を作ったり、家庭菜園をしたりするスローライフと同じことなのかもしれません。

〈グレイヘア〉の方も最近は増えてきましたね〜♪
今の自分のライフサイクルでできるベストなコトを、無理なくできる範囲で、
髪も、体も、精神も、セルフケアしていけたら良いなと思います。


↓↓この本も参考になりましたよ♪

こちらの記事もよかったらご覧ください

空腹の気持ちよさ

夏の早朝の景色